特別編「“A”LL “L”OVE “S”UPPORT (大いなる愛で支えよう!!)」

世界ALSデーイベント参加 平成27年6月22日(日) 於 バードハット

ALSの症状

ALSの症状

 

難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を知ってもらうためのイベントがバードハットで行われ、ボランティア部員のうち、将来看護師を希望している生徒を中心に18名で参加してきました。鳥取県にはALSの患者さんは44名いらっしゃるそうです。

 

スローガンは“ALL LOVE SUPPORT”

スローガンは“ALL LOVE SUPPORT”

 

日本ALS協会鳥取県支部の岡本充雄支部長がパソコン音声でご挨拶された後、平井県知事が“ALL LOVE SUPPORT”のスローガンについて説明されました。

 

ALS症状を追体験

ALS症状を追体験

 

ALSの症状を追体験するために参加者はブルーシートの上にいっさい身体を動かさない状態で横になります。最初の3分間は岡本支部長の奥様のALSの病状の説明を聞きながら、次の3分間は沈黙の中、呼吸もゆっくりと行いながら横になります。脳の状態はしっかりしているのに身体の筋肉だけが動かせなくなる恐怖心を体験します。患者さんの気持ちの理解に努め、少しでも心に寄り添うための取り組みです。

 

知事の隣りで追体験の感想を答えます。

知事の隣りで追体験の感想を答えます。

 

知事の隣りで追体験した本校生徒がインタビューに答えました。「動けないと頭だけでいろいろなことを考えてしまい、どんどん不安が募っていく恐怖感を感じることができました。」ALSは最終的にはまぶたの筋肉しか動かすことができなくなります。「目をつぶっているとさらに暗闇で恐怖心が増してきました。」などと少しでも患者さんの心に寄り添うために想像力を膨らまし、動けぬ体の苦しみを実感しようとしていました。

 

“伝わる瞬間”の合唱

“伝わる瞬間”の合唱

 

日本ALS協会鳥取県支部テーマソング“伝わる瞬間”
声にならないけど伝えたいことがあります。笑顔を創れないけれど嬉しいことがあります。私はあなたの声を聞いてます。私はあなたの笑顔を見ています。今、伝わることの喜びを誰よりも感じています。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。上手に聞けないけれど一生懸命聞いています。笑顔がない日もあるけれど嬉しいことがあります。私はあなたの声を聞いています。私はあなたの笑顔を見ています。今、伝えあうことの喜びを一番感じています。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。今伝わることの喜びを誰よりも感じています。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。

 

文字盤を用いたコミュニケーション

文字盤を用いたコミュニケーション

 

文字盤をつかってコミュニケーションをする方法を実際に患者さんに関わっていらっしゃるスタッフの方から教えていただきました。50音図から動かせる目だけをつかって文字を選び、伝えたい言葉を作っていきます。読み取り側も技術が必要だということも体験できました。読み取り側が文字を確認し、合っていると患者さんは瞬きで答えるという方法です。

 

「これかなぁ」「違う違う(心の中)」

「これかなぁ」「違う違う(心の中)」

 

「これかなぁ」「違うかぁ」「じゃあこれ?」となかなか難しくて読み取れません。名前や「好きな食べ物は?」などといった簡単な内容でも、一点を凝視する目の疲れを体験しました。患者さんの負担をなくすためにサポート者の鍛錬も必要です。実際にALS患者さんが本も出版されています。読み取り者のサポート力にも敬服します。

 

伝わった時はやはり笑顔が溢れます!

伝わった時はやはり笑顔が溢れます!

顔に近づけたらわかりやすいかも?いろいろ工夫してみます。

顔に近づけたらわかりやすいかも?いろいろ工夫してみます。

口の中を乾かしています。

口の中を乾かしています。

 

口、舌の筋肉も動かせなくなると口の中が乾き、唾液が出なくなります。乾いた状態だと味覚もわかりません。そのことを体験するためにみんなであーんと口を開けてうちわで口を乾燥させている様子です。そして舌にジャムを乗っけてもらいます。するとジャムの甘さがわかりません。口を動かしていくと徐々に甘さが口の中に広がっていきます。唾液が出ずに乾燥したら口に細菌が発生しやすく病気も併発してしまうということも伺いました。また、病状が進むと食べ物を飲み込む筋肉も失われ、口から食べ物を摂ることができなくなるそうです。

 

乾いた状態でジャムを舌に乗せてもらいます。

乾いた状態でジャムを舌に乗せてもらいます。

電動車イス体験

電動車イス体験

 

車イス体験です。指1本の少しの力で動かすことのできる電動車椅子やシートを後ろに倒すことで座る姿勢を変えることのできる車イスなど実際に座らせていただき体験しました。

 

シートの角度を調整中

シートの角度を調整中

ALL LOVE SUPPORT!!

ALL LOVE SUPPORT!!

 

今回のこのボランティアは将来看護医療系に進学希望の3年生を中心に参加しました。期末考査期間にも関わらず、自分の将来目指す医療の現場における見識を深めようと積極的に参加してくれました。他をおもいやり、他の心に寄り添う優しい気持ちを持った生徒ばかりです。この日は看護大学の学生さんや、理学療法士さん、看護師さん、社会福祉士さん、といった医療にかかわる専門職の方々とも交流することができて大変良い刺激になりました。さあ、また明日から目標に向ってしっかり勉強だ!!